こんにちは、綾城あおいです。
今回は、私が心を奪われたアニメ『タコピーの原罪』の“音楽”に焦点を当ててみたいと思います。音楽って、ストーリーやキャラクターに命を吹き込む「見えないセリフ」のようなものだと思うんです。明るいメロディの裏に隠された痛み。静かな音の中に込められた祈り。それらを丁寧にたどってみましょう。
🎵 OPテーマ:「ハッピーラッキーチャッピー」 by ano
- 作詞・作曲:ano
- 編曲:TAKU INOUE
- レーベル:TOY’S FACTORY
一聴してポップでかわいらしいこの曲。でも、よく聴くとその奥には、子ども時代の不安や孤独感が潜んでいます。anoさん自身が語る「中学生の時に感じた無色な時間」が、鮮やかなメロディでコーティングされてるような、不思議な魅力。
🎬 OPテーマ映像(YouTube)
このOPが流れると、まるで「きっと今日も大丈夫」と背中を押してくれるよう。明るさと陰りが絶妙に交差する一曲です。
🎧 EDテーマ:「がらすの線」 by Tele(谷口喜多朗)
- 作詞・作曲・編曲・歌唱:Tele
ED曲はまるで、夜の静けさにそっと寄り添うような優しさを持っています。歌詞は決して饒舌ではないけれど、そこに込められた言葉の選び方が丁寧で、心の中の小さな痛みに触れてくるんです。
🎬 EDテーマ映像(YouTube)
しずかちゃんやタコピーが抱える“言えない想い”を代弁するように、この曲はそっと耳元で語りかけてくれます。日常に戻る前に心を整えてくれるような、そんな静かな力を感じました。
🎼 劇伴(BGM)担当:藤澤慶昌
- 代表作:『宇宙よりも遠い場所』『宝石の国』など
アニメにおける“空気”を作る存在——それが劇伴(げきばん)、つまり背景音楽。『タコピーの原罪』では、藤澤慶昌さんが全編を通してBGMを手がけています。
とても静かなピアノの旋律や、まるで時間が止まったような音の間が、キャラクターの感情を語らずして語っている。BGMが“語りすぎない”という姿勢が、この作品の美しさだと私は感じました。
🎬 音楽構成の比較と演出効果
要素 | アプローチ | 役割・効果 |
---|---|---|
OP | ポップ×切なさの融合 | 導入に元気さと違和感を混在させる |
ED | 詩的・静謐なトーン | 視聴後の感情に寄り添い余韻を与える |
劇伴 | 間と旋律を重視した繊細な構成 | シーンの感情の深さを静かに強調する |
✅ 最後に:音楽という“もうひとつの物語”
『タコピーの原罪』の音楽は、ただの演出ではありません。言葉では言い表せないキャラクターの想いや、感情の重さ、そして願いまでも音にしてくれる“語り手”なのです。
耳を澄ませてみてください。画面の裏に流れている“音のセリフ”が、あなたにも何かを語りかけてくるはずです。
また次回、心に残る“音の物語”をご一緒しましょう。
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