2026年7月からテレビ朝日系「IMAnimation」枠・BS朝日で放送中のTVアニメ『天幕のジャードゥーガル』は、総監督・山田尚子とAbel Gongora監督のダブル体制、制作会社サイエンスSARUによって作られている。
まずこの結論を押さえたうえで、監督・制作会社・シリーズ構成・音楽・放送局や配信情報、さらに気になる放送スケジュールまで、主要スタッフと視聴導線を一気に整理していこう。
『天幕のジャードゥーガル』アニメの監督は誰?
この作品最大の特徴は、監督が一人ではなく「総監督」と「監督」の二人体制で組まれている点だ。
総監督を務めるのは山田尚子。『聲の形』『きみの色』といった劇場アニメや、TVアニメ『平家物語』を手がけてきた実力派で、静かな画面から登場人物の心情をすくい取る演出を得意とする作り手として知られている。
監督にはAbel Gongora(アベル・ゴンゴラ)が起用された。スペイン出身のアニメーターで、『ダンダダン』第2期や『スター・ウォーズ:ビジョンズ「T0-B1」』、『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』などに参加してきた人物だ。
公式サイトに掲載されたスタッフコメントによれば、山田尚子は原作について「新鮮で刺激的な驚きに溢れていた」という趣旨のコメントを寄せ、登場人物たちの人生を敬意をもって描きたいと語っている。
同じく公式コメントで、Abel Gongora監督はモンゴル帝国とペルシア帝国それぞれの文化の豊かさに触れたうえで、事実と伝承の両方を踏まえて自分たちなりの解釈で歴史を描いたという趣旨を語っている。
第1幕(第1話)の絵コンテ・演出はAbel Gongora監督自身が担当し、第2幕では山田尚子総監督が絵コンテ・演出の両方を手がけているのも見どころだ。物語序盤の“つかみ”となる部分に、二人の監督がそれぞれ直接筆を入れている形になる。
ここで両監督の役割を一目で比較できるよう、簡単に整理しておこう。
| 項目 | 山田尚子(総監督) | Abel Gongora(監督) |
|---|---|---|
| 主な代表作 | 『聲の形』『きみの色』『平家物語』 | 『ダンダダン』2期、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』 |
| 演出の傾向 | 間・視線・生活音で語る繊細な心理描写 | テンポの速いアクションと大胆なカメラワーク |
| 担当した幕 | 第2幕:絵コンテ・演出 | 第1幕:絵コンテ・演出 |
| 得意分野 | 静かな感情の機微、日常の余韻 | スケール感のある動き、スピード感 |
筆者としては、総監督と監督が役割分担しつつも要となる話数には自ら手を動かしているという体制そのものが、この作品への並々ならぬ本気度の表れだと感じている。
制作会社はどこ?サイエンスSARUが手がける独特の映像美
アニメーション制作を担当しているのは、スタジオ・サイエンスSARU(Science SARU)。
代表作には、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門でグランプリ・クリスタル賞を受賞した『夜明け告げるルーのうた』をはじめ、『夜は短し歩けよ乙女』『DEVILMAN crybaby』『映像研には手を出すな!』『犬王』『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』『きみの色』、そして『ダンダダン』などが並ぶ。
平面的なタッチと躍動感のある作画を両立させることに定評があるスタジオで、公式サイトでも高いクオリティが世界的に評価されていると紹介されている。
公開されたティザーPVでは、13世紀イラン・トゥースの街を主人公シタラが駆け巡る姿や、活気のあるバザール、美しい建築物がサイエンスSARUならではの映像スタイルで描かれている。
原作は中世の写本に見られる平面的な描き方を意識した絵柄だといい、それをサイエンスSARUの映像表現がどう受け止めて動かしているのか、という点が本作のアニメーションとしての大きな注目ポイントになっている。
個人的には、静的な歴史ものになりがちな題材を、あえて「動き」に強いスタジオへ託した製作委員会の采配にセンスを感じる。
史実の重厚さと、キャラクターの生々しい感情表現を両立させるには、このスタジオの選択は理にかなっていると考えられる。
放送局・放送時間・配信情報は?
『天幕のジャードゥーガル』は2026年7月より、テレビ朝日系「IMAnimation」枠およびBS朝日で放送中だ。
「IMAnimation」は、深夜帯に偏りがちなアニメ放送の中で、比較的早い時間帯に編成されることが多い枠として知られており、原作ファン以外の視聴者との接点も意識した編成といえる。
なお、放送局・放送日・放送開始時刻や全体の話数構成については、放送期間中に変更となるケースもあるため、この記事では断定を避け、視聴を予定している人は必ずテレビ朝日の番組公式サイトや公式Xで最新のタイムテーブルを確認してほしい。
配信については、放送に合わせて主要な配信プラットフォームでの見逃し配信が予定されているのが一般的な流れだが、配信サービス名や配信開始タイミング、料金プランなどは変更される可能性があるため、こちらも最新情報は必ず番組公式サイトや配信サービス側の案内を確認してほしい。
シリーズ構成・キャラクターデザインなど主要スタッフ一覧
監督・制作会社以外の主要スタッフも整理しておこう。
- シリーズ構成:加藤還一(『陰の実力者になりたくて!』『ブラッククローバー』『からかい上手の高木さん』)
- キャラクターデザイン・作画チーフ:吉田健一(『交響詩篇エウレカセブン』『OVERMANキングゲイナー』『地球外少年少女』)
- 音楽:日野浩志郎
- 演出チーフ:藤倉拓也
- 美術監督:樺澤侑里
- 色彩設計:今野成美
- 撮影監督:高橋直希
- 編集:廣瀬清志
- 音響監督:小沼則義
- アニメーションプロデューサー:三角理恵
公式サイトのスタッフコメントによると、加藤還一は原作の魅力をアニメの構成でも表現できるよう努めたとしたうえで、異文化の中で知識を身につけ生き抜いていく主人公の姿を通して、現代の視聴者にも通じる葛藤や希望を感じてほしいという趣旨を語っている。
同じく公式コメントで、吉田健一は本作が初めて他人の原作を手がける作品だと明かし、初めての原作ものとして力を尽くしている旨を短く語っている。

なお本作は歴史考証にもかなりの人数が携わっており、モンゴル文化・歴史考証を谷川春菜が、協力として諫早庸一・宇野伸浩・白石典之・中村篤志・永島育の各氏が名を連ねている。
イスラム文化・歴史考証は桝屋友子、イスラム関連考証は高橋和夫が担当。モンゴル語指導にはバトゥエフ アリュウナ(第1幕〜第3幕)、アザーン独唱にはMukhammadyusuf Abdurakhimov(第1幕)と、言語・宗教文化の専門家が細かく関わっている。
これは単なる「異国風ファンタジー」で終わらせない、本作の作り込みの深さを裏付けるポイントだと言えるだろう。
音楽と主題歌を手がけるスタッフ
音楽を担当する日野浩志郎は、独自の音楽性と民族楽器への造詣の深さで知られる作曲家で、今回が初のアニメ劇伴となる。
公式サイトのコメントによれば、日野浩志郎は恨みや悲しみを抱えながらもたくましく生きるシタラの複雑な心情を音楽で表現することが、最も大きな挑戦であり手応えでもあったという趣旨を語っている。
あわせて、初めてのアニメ劇伴制作であることに加え、ペルシャ・モンゴル音楽を手がけるのも初めてという、いわば“初めて尽くし”の制作だったと明かしている。
オープニングテーマは第二幕以降、SEKAI NO OWARIの「Stella」(作詞:Fukase、作曲:Nakajin、編曲:SEKAI NO OWARI)が起用されている。エンディングテーマは女王蜂の「星」(作詞:薔薇園アヴ、作曲:女王蜂・塚田耕司)が使用されている。
各話ごとのスタッフ体制も要チェック
『天幕のジャードゥーガル』は話数ごとに脚本・絵コンテ・演出・作画監督の担当が変わる、いわゆる「話数ごとの職人芸」が見える構成になっている。
例えば第1幕「天にあるもの 地にあるもの」は脚本・加藤還一、絵コンテ・演出をAbel Gongora監督自身が担当し、作画監督は吉田健一。第2幕「サファルに咲く薔薇」は絵コンテ・演出を山田尚子総監督が担当している。
第3幕「消しえぬ炎」は脚本・佐藤寿昭、絵コンテ・演出は安部祐二郎、作画監督は内村瞳子・堀江由美・永留あいの3名体制。第6幕「メルゲンの民」では絵コンテを安藤雅司、演出を松永浩太郎、作画監督を阿見圭之介が務めている。
海外スタジオやフリーランスアニメーターも数多く参加しており、動画・仕上げの工程ではWIT STUDIOやOLM、A-1 Pictures、スタジオコロリドといった名だたるスタジオ名も各話クレジットに見られる。
歴史大作らしいスケールの大きさが、制作体制の広がりからも伝わってくる。

天幕のジャードゥーガル アニメ 世間の反応・原作評価
結論から言えば、原作ファン・アニメファン双方から放送前後を通じて期待の声が集まっている作品だ。
アニメ化決定の発表時には、SNS上で「楽しみすぎる!」「待ってました!」「サイエンスSARUなのも楽しみ」といった声が寄せられ、原作ファンだけでなくサイエンスSARUのこれまでの作風を知るアニメファンからも注目された。
原作漫画は「このマンガがすごい! 2023」オンナ編で歴史物として初の1位を獲得し、「マンガ大賞」にも2023年・2024年と2年連続でランクインしている。
さらに2026年には第55回日本漫画家協会賞コミック部門大賞を受賞したと発表されており、アニメ化以前から評価の高い作品だった点も押さえておきたい(受賞の詳細は日本漫画家協会の発表を参照されたい)。
これらの受賞歴は、単に「話題の新作アニメ」ではなく、原作の時点ですでに専門家からも高く評価されてきた作品であることを裏付けている。
考察:この布陣が意味するもの
ここからは筆者個人の見立てになる。
総監督・監督のダブル体制、そして加藤還一・吉田健一という布陣の組み合わせは、単なる話題性狙いではないと考えられる。
「原作の情感」と「歴史スペクタクルとしてのスケール」を両立させるための、かなり計算された座組みだと感じている。
山田尚子の演出傾向から読み解く
山田尚子のこれまでの演出を振り返ると、『平家物語』では、登場人物が言葉にしない感情を「間」や視線の動き、生活音の余韻で語らせる手法が特徴だった。
本作でも、シタラが奴隷という立場から知識を身につけていく静かな場面や、権力者たちの視線が交錯する宮廷の緊張感などは、こうした“語らせすぎない演出”との相性が良いはずだと筆者は見ている。
Gongoraの演出傾向から読み解く
一方のAbel Gongoraは、『ダンダダン』第2期のようなテンポの速いアクション表現や、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』での大胆なカメラワークを手がけてきた実績を持つ。
モンゴル帝国が版図を広げていく大陸規模の戦乱や、復讐劇としてのスピード感を要するシーンでは、こうした海外仕込みのダイナミズムが活きてくると予想される。
役割分担の狙い
つまり第1幕をAbel Gongora監督が、心情の機微が重要になる第2幕を山田尚子総監督が担当したという役割分担は、単なる均等な仕事分けではない。
それぞれの得意分野を序盤から明確に打ち出すための、意図的な配置だったのではないかと筆者は考えている。
なお「総監督+監督」という二人体制自体は、近年の大型テレビアニメでは決して珍しい手法ではなく、原作の情感を守りたいクリエイターと、現場の演出・作画進行を機動的に動かせる作り手を組み合わせる座組みは、規模の大きなプロジェクトほど採られやすい傾向にあると筆者は見ている。本作もその文脈に連なる一例と捉えると理解しやすい。
歴史考証の厚みが支える骨格
また、複数の歴史考証家がクレジットされている点も見逃せない。
フィクションでありながら史実との整合性を丁寧に取ろうとする姿勢は、原作者トマトスープが大学時代からモンゴル帝国史を調べ、10年ほど構想を温めてきたという経緯とも重なる。
筆者としては、この考証チームの厚みこそが、本作を単なる「異国風ファンタジー」ではなく骨太な歴史ドラマとして成立させている土台だと感じている。
今後の見通し
今後の見通しとしては、物語がシタラとドレゲネの復讐劇として本格化していくにつれ、作画・演出面でもよりダイナミックな見せ場が増えていくと予想される。
各話ごとに演出・作画監督が入れ替わる体制のため、話数によって絵柄の印象にも幅が出てくるはずだ。
特に第3幕のように複数の作画監督が共同で担当する回では、キャラクターの表情の揺らぎが増える一方、演出の統一感をどう保つかが制作側の腕の見せどころになる。
そうした「話数ごとの作り分け」も含めて楽しめる作品だと、筆者としては考えている。
まとめ
『天幕のジャードゥーガル』のアニメは、総監督・山田尚子、監督・Abel Gongoraのダブル体制のもと、制作会社サイエンスSARUが映像化を手がけている。
シリーズ構成は加藤還一、キャラクターデザイン・作画チーフは吉田健一、音楽は日野浩志郎が担当し、歴史考証チームの厚みも本作の大きな特徴だ。
2026年7月からテレビ朝日系「IMAnimation」枠・BS朝日で放送中で、正確な放送曜日・時間や全話数、配信情報などの視聴導線は変動する可能性があるため、必ず公式サイトでの確認をおすすめしたい。
原作の評価の高さとスタッフの実績が合わさった、今期注目の歴史アニメといえる。
よくある質問
『天幕のジャードゥーガル』の監督は誰ですか?
総監督が山田尚子、監督がAbel Gongoraのダブル体制です。それぞれ第2幕・第1幕の絵コンテ・演出を自ら手がけています。
アニメの制作会社はどこですか?
サイエンスSARUが制作を担当しています。『ダンダダン』『映像研には手を出すな!』などで知られるスタジオです。
主題歌は誰が担当していますか?
オープニングテーマ(第二幕以降)はSEKAI NO OWARIの「Stella」、エンディングテーマは女王蜂の「星」です。



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