結論からお伝えします。TVアニメ「きみが死ぬまで恋をしたい」(通称「きみ死ぬ」)のアニメーション制作を担当しているのは、東京都武蔵野市を拠点とするスタジオ・株式会社ROLL2です。
原作はあおのなちによる漫画で、一迅社「コミック百合姫」で2018年10月号から連載が始まり、現在は「一迅プラス」で連載中の作品です。
TVアニメは2026年7月7日に放送がスタートしました。
「戦争用兵器として育てられる少女たちの生と死と恋」という、開始5秒でハートを鷲づかみにしてくるレベルの重量級テーマ。
だからこそ「これ、どこの制作会社がやってるの?」と気になった方も多いはずです。
今日はROLL2という制作会社の正体と、周りを固めるスタッフ陣、そして配信情報まで、業界の裏側を知る立場から丁寧に整理していきます。
「きみが死ぬまで恋をしたい」の制作会社はROLL2に決定
まず本題の答えを先に言い切っておきます。
本作のアニメーション制作を担当しているのは、株式会社ROLL2です。
ROLL2の公式サイトでは、本作を「元請作品」として紹介しており、2026年7月放送というクレジットとともに、スタッフ・キャストの情報が掲載されています。
「元請」というのは、アニメ制作の全体進行や作画・演出の管理まで含めて責任を持つ立場のこと。
つまりROLL2は、単なる下請けの一工程ではなく、この作品の映像面全体をハンドリングする中核スタジオということになります。
制作をリードするプロデュース側にはインフィニット、そしてプロダクトサポートとしてEVOLROARの名前がクレジットされています。
「プロダクトサポート」という肩書きは、元請スタジオが本編制作に専念できるよう、進行管理や外部スタジオとの調整といった実務面を側面から支える役割を指すことが多い名称です。
原作サイドの一迅社、プロデュースのインフィニット、プロダクトサポートのEVOLROAR、そして映像を実際に作り上げるROLL2という体制の連携によって、本作は形になっているわけです。
これは何を意味するかというと、「きみ死ぬ」は大手の老舗スタジオが単独で手掛けた作品ではないということ。
複数のプレイヤーが役割分担しながら支える、比較的新しい制作体制のもとで生まれた作品であり、原作の持つ痛みや切なさをどう映像に翻訳するかという挑戦を、若いスタジオが正面から引き受けた企画だと言えるでしょう。
ROLL2とはどんな会社?設立からきみ死ぬに至るまでの歩み
ここが今回、改めて調べ直して一番お伝えしたかった部分です。
ROLL2は、2017年11月6日に設立されたアニメ制作会社です。設立したのはWHITE FOXで制作進行を務めていた應地一晃で、本作のクレジットでもアニメーションプロデューサーとして名前が挙がっている人物と同一です。
つまりROLL2は、大手スタジオでの実務経験を積んだ制作者が独立して立ち上げた会社であり、決して実績ゼロからのスタートではありません。
2023年3月25日には、コンテンツの共同開発とアニメ業界の発展への貢献を目的に、インフィニットと業務提携を締結しています。
インフィニット側もこのタイミングで新スタジオ・EVOLROARを設立しており、「スタジオ機能をより強固にするためROLL2と業務提携を結び、コンテンツを共同で開発していく」と説明しています。
「きみ死ぬ」における、プロデュース=インフィニット、プロダクトサポート=EVOLROAR、制作=ROLL2という布陣は、この2023年の業務提携から地続きの関係性だったわけです。
そして2024年に放送された「恋は双子で割り切れない」で、ROLL2は初めて元請制作を手掛けています。
つまり「きみが死ぬまで恋をしたい」は、ROLL2にとって元請作品としては2作目にあたる作品ということになります。
これまでROLL2は、「シャングリラ・フロンティア」「薬屋のひとりごと」「よふかしのうた」「異世界おじさん」「ブルーピリオド」といった話題作に制作協力として参加してきた実績も持っています。
多くの人気作の現場を下請け・協力という立場で経験したうえで、2024年に初の元請作品を任され、その翌々年に「きみ死ぬ」という重厚なテーマの作品を再び元請として任されている。
この流れを踏まえると、ROLL2は「いきなり抜擢された無名スタジオ」ではなく、着実にキャリアを積み上げたうえで元請の実績を重ねている段階のスタジオだと捉えるのが正確でしょう。
筆者としては、この「協力現場での経験値の積み上げ→元請デビュー→2作目でシリアス群像劇に挑戦」という順序そのものが、ROLL2というスタジオの成長曲線を物語っていると感じています。
なお、TVアニメ化発表時のgamebiz記事では「今後の成長が大きく期待される新進気鋭のスタジオ・ROLL2」と紹介されており、発表にあわせてROLL2が制作したパイロットフィルムも公開され、原作の美しくも残酷な世界を見事にアニメーションへと昇華したフィルムに仕上がっていると評されています。
パイロットフィルムというのは、本編制作に入る前に作品の世界観やクオリティラインを示すための試作映像です。
これを企画発表段階からきちんと用意して公開したという事実自体が、ROLL2というスタジオが本作にかける本気度の表れだと筆者は受け止めています。
監督が交代したのはなぜ?かくちたくだい氏から友田康氏へ
ここで一点、資料を突き合わせていて気づいたことを共有します。
2025年3月のTVアニメ化発表時点では、かくちたくだい(角地拓大)が監督としてコメントを寄せていました。
しかしその後のROLL2公式サイトや各話クレジットでは、監督は友田康、かくちたくだいはクリエイティブアドバイザーという肩書きに変わっています。
これは矛盾や誤報ではないと筆者は考えます。
長期にわたる制作の中で、監督としてのクリエイティブ面の指揮を誰がどう担うかが調整されていくのは、アニメ制作の現場ではしばしば起こることです。
実際、Filmarksに寄せられた視聴者コメントには「友田康さん初監督おめでとうございます。逃げ若1期、恋は双子、ガルクラ、僕やばなど経験豊富な演出さんと花田十輝さんの座組」という趣旨の指摘があり、友田康自身が本作で初めて監督を務めたこと、そしてこれまで演出として複数の作品に関わってきた経験者であることがうかがえます。
つまり、企画の旗振り役だったかくちたくだいが監修的なポジションに回り、現場で演出経験を積んできた友田康が実制作の指揮を執る体制へと整理されていった、という見立てが自然です。
あまり注目されていない部分ですが、今回改めて整理してお伝えしておきたいと思いました。
監督・脚本・キャラデザなど主要スタッフ体制
ROLL2の元請体制のもと、本作を支えるスタッフ陣も豪華かつ個性的です。
ROLL2公式サイトのクレジットをもとに整理すると、以下のようになります。
- 監督:友田康
- 副監督:榎本直央
- クリエイティブアドバイザー:かくちたくだい
- シリーズ構成・脚本:花田十輝
- キャラクターデザイン:油布京子
- プロップデザイン:中山奈々
- 美術デザイン:綱頭瑛子(草薙)
- 美術監督:中田洵輝(草薙)
- 色彩設計:中野尚美・永井唯香(ステラ)
- 撮影監督:許庭禎(Cypic)
- 3Dディレクター:千野勝平(CHOTOTU)
- 編集:瀧川三智(REAL-T)
- 音楽:橋本由香利・未知瑠
- 音響監督:明田川仁
- 音響効果:安藤由衣
- アニメーションプロデューサー:應地一晃
美術デザインと美術監督を草薙が、色彩設計をステラが、撮影監督をCypicが、それぞれ社外スタジオとして分業で支えている構成にも注目したいところです。
作画のROLL2を軸にしつつ、美術・色彩・撮影といった専門領域を外部のプロ集団と連携する体制は、近年の制作委員会方式アニメでは珍しくありません。
むしろ、それぞれの分野に強みを持つスタジオを組み合わせることで、単一スタジオだけでは出せないクオリティの底上げを狙っていると見るべきでしょう。
シリーズ構成・脚本は花田十輝が担当しています。
花田は本作について、常に死が隣り合わせの世界で身を寄せ合い心を通わせていくシーナ、ミミ、セイラン、アリの関係性を「友情とも恋ともつかぬ」形でどう伝えられるか考えながら書いたと、gamebizが伝えたコメントの中で述べています。
原作の持つ危うい情緒を、脚本の言葉でどこまで丁寧にすくい上げられるか。ここは放送を通して確認していきたいポイントです。
キャスト・あらすじ・原作情報
制作体制と並んで気になるのがキャストです。主要4人は以下の通りです。
- トツキ・シーナ役:高橋李依
- カガリ・ミミ役:日高里菜
- リジィ・セイラン役:瀬戸麻沙美
- モード・アリ役:石川由依
この4人は、2021年公開の原作第4巻発売記念PVの時点からそれぞれのキャラクターを演じてきたメンバーで、TVアニメでも続投という形になっています。
TVアニメ化発表時、コミックナタリーが伝えたコメントによれば、高橋李依は「第4巻発売PVでのご縁から始まり」感謝と祝福でいっぱいだと語り、日高里菜も「ミミと出会って4年近く」思い出深い作品だと述べています。
ファンにとっては「PVの頃から知っている、あの声」がそのままアニメでも聞けるという、地続きの安心感がある起用だと言えるでしょう。
物語は、身寄りのない子どもたちが戦争用の兵器として育てられる学校を舞台に、自分の境遇を受け入れられずにいる14才のシーナが、ある夜に血まみれの少女・ミミと出会うところから始まります。
「人を殺すための授業」「誰が死んでも悲しむことさえままならない日常」が「当たり前」という世界設定のなかで、少女たちが小さな「生きたい」という願いを見つけていく物語です。
原作コミックは2025年3月時点で、電子書籍・海外版を含むシリーズ累計部数が60万部を突破しており、海外版は中国語(繁体字)、ドイツ語、タイ語、フランス語、英語でも出版されています。
アニメ化以前から着実にファンを増やし、世界的にも読まれてきた作品であることも付け加えておきたいところです。
配信情報:どこで観られる?
放送は2026年7月7日よりTOKYO MX・KBS京都・サンテレビ・BS11・AT-Xほかでスタートし、WOWOWでも同月14日から放送されています。
配信面では、dアニメストア・U-NEXT・アニメ放題が7月7日から地上波先行・最速配信を実施しています。
そのほかABEMA・niconico・Netflix・DMM TV・バンダイチャンネル・Hulu・TELASA・Prime Video・Leminoなど、多数のサービスで7月10日より順次配信が始まっています。
なお配信ラインナップやキャンペーン内容は各サービスの都合で変わることがあるため、視聴を検討する際は最新情報を公式サイトで確認するのが確実です。
考察:ROLL2の歩みから見える「きみ死ぬ」という挑戦
ここからは筆者個人の見解として読んでいただきたいのですが、ROLL2がこの重いテーマの原作を、2作目の元請作品として任されたという事実は、このスタジオにとって大きな意味を持つ選択だと感じています。
前作「恋は双子で割り切れない」は、幼なじみの三角関係を描くラブコメでした。
一方の「きみ死ぬ」は、戦争と死をテーマにした百合ダークファンタジーです。
ジャンルとしてはかなり振れ幅の大きい2作目を選んだことになります。
個人的には、これはROLL2というスタジオが「ラブコメ専門」に収まらず、幅広いテーマに対応できるスタジオとしての実力を示そうとしている布陣に見えます。
また、これまで「シャングリラ・フロンティア」や「薬屋のひとりごと」といった大型タイトルに制作協力として参加してきた経験は、決して無駄になっていないはずです。
現場で培ったノウハウを、自社の元請作品にどう還元できるかが、今後のROLL2の評価を左右するポイントになるでしょう。
美術・色彩・撮影を外部の専門スタジオと分業する制作体制も、ROLL2単体のリソースだけに頼らず、各分野のプロフェッショナルの力を借りることでクオリティを担保しようとする意図の表れだと考えられます。
個人的には、この「餅は餅屋」的な布陣こそが、原作ファンの厳しい目にも耐えうる画作りを支えているのではないかと感じています。
今後の見通しとしては、放送話数を重ねるごとに、ROLL2というスタジオ名がアニメファンの間でどう記憶されていくかが注目点になるはずです。
もし本作が高い評価を得れば、ROLL2は今後さらに大きな企画の元請を任されるスタジオへと成長していく可能性があります。
逆に言えば、本作は制作会社ROLL2にとっても、2017年の設立からここまで積み上げてきたキャリアの中で、ある種のターニングポイントになる作品だと筆者は見ています。
まとめ
「きみが死ぬまで恋をしたい」のアニメーション制作を担当しているのは、2017年11月設立の株式会社ROLL2です。
プロデュースをインフィニット、プロダクトサポートをEVOLROARが担い、監督は友田康、シリーズ構成・脚本は花田十輝、キャラクターデザインは油布京子が務めています。
ROLL2は2024年放送の「恋は双子で割り切れない」で初めて元請制作を経験しており、「きみ死ぬ」はそれに続く2作目の元請作品にあたります。
キャストには原作PVから続投の高橋李依・日高里菜・瀬戸麻沙美・石川由依という布陣が揃いました。
2026年7月7日から放送・配信がスタートした本作は、制作会社としてのROLL2にとっても大きな挑戦であり、その仕上がりは今後の業界内での立ち位置を占う試金石になりそうです。
よくある質問
「きみが死ぬまで恋をしたい」の制作会社はどこですか?
アニメーション制作を担当しているのは株式会社ROLL2です。プロデュースはインフィニット、プロダクトサポートはEVOLROARが担当しています。
ROLL2はどんな実績があるスタジオですか?
2017年11月設立で、2024年放送の「恋は双子で割り切れない」で初めて元請制作を経験しました。「シャングリラ・フロンティア」「薬屋のひとりごと」など話題作への制作協力実績もあります。
監督は誰ですか?
ROLL2公式サイトのクレジットでは友田康が監督を務め、TVアニメ化発表時に監督としてコメントしていたかくちたくだいは、現在クリエイティブアドバイザーとして参加しています。



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