2025年夏。TVアニメ『ダンダダン』第2期が、ついに始まりました。
幽霊と宇宙人。
超能力と怪異。
それらがごちゃ混ぜになって、でもどこかリアルで、愛しくて──
そんな“人間ドラマ”が本作の魅力です。
とくに第2期では、キャラクターたちの関係性がグッと深まります。
笑って、泣いて、ぶつかって。それでも隣に立つ理由がある。
この記事では、主要キャラの設定や関係性を軸に、彼らの“感情のつながり”をひもといていきます。
「なぜこのキャラが刺さるのか?」「どうしてあの一言が胸に残るのか?」
そんな“気持ちの正体”を、言葉にしていきましょう。
主人公ペア:モモとオカルンの関係性を解説
霊と宇宙人。
まるで正反対の価値観を持つふたりが出会い、“戦友”になっていく──
その過程は、まさに『ダンダダン』という物語の“心臓部”です。
◆ 綾瀬 桃(CV:若山詩音)
霊能力を受け継ぐ家系に生まれ、祖母・星子のもとで育った女子高生。
幽霊の存在を当たり前のように受け入れてきた彼女にとって、「宇宙人」はありえない存在。
でも、ある日セルポ星人にさらわれたことで──彼女の中の“もうひとつの力”が目を覚まします。
それは超能力というフィジカルの強さだけじゃない。「誰かを信じ、守りたい」と願う心の強さ。
第2期では、モモが「感情をぶつける」だけの少女から、「自分の感情を使って誰かを守る」存在へと変わっていく姿が描かれます。
◆ 高倉 健(オカルン)(CV:花江夏樹)
幽霊は信じない。でも宇宙人は信じてる。
そんな“ちょっとズレた信念”を持つオカルトオタクの男子高生。
セルポ星人との遭遇をきっかけに呪いの力を得た彼は、
“怪異と戦える存在”として、物語のバトル面を担っていきます。
でも──彼の一番の魅力は、やっぱり「人間くささ」。
自分に自信がなくて、でも誰かに“認めてほしい”と願ってる。
モモとの関係を通して、「誰かのために戦える自分」を少しずつ信じ始めるオカルンの姿は、
見ていてとても愛しくて、そして胸を打ちます。
ふたりの関係性は、恋愛だけじゃない。
価値観の違いを乗り越えて、“一緒に戦う”ことを選んだふたりだからこそ生まれる信頼と、共鳴と、葛藤。
そのすべてが、“この物語の温度”を作っているんです。
ジジと邪視:三角関係の鍵を握る存在
モモとオカルン、ふたりの関係を“揺らす”存在──それが、ジジと邪視です。
彼らの登場によって、この物語はただのバディバトルではなく、
「感情の綾」や「人間関係の痛み」を描く物語へと進化していきます。
◆ 円城寺 仁(ジジ)(CV:石川界人)
モモの幼馴染で、彼女の“初恋相手”。
笑顔が爽やかで、運動神経も抜群。だけど、どこか孤独な空気をまとった少年。
ジジの存在が揺さぶるのは、ただの恋愛感情だけじゃありません。
彼の登場によって、「オカルンとモモの絆は本物か?」という問いが投げかけられるのです。
そして彼自身も、内側に深い痛みを抱えている。
その“影”が、第2期では「邪視」と結びつき、大きな物語の軸になっていきます。
◆ 邪視(Evil Eye)(CV:田村睦心)
ジジに取り憑いた、呪いの怪異。
その見た目はグロテスクで恐ろしく、叫ぶ声も不気味。
でも──その暴力性の裏には、「人間の弱さ」や「孤独」がにじんでいる。
邪視は、ただの悪役じゃありません。
ジジの心の傷や後悔、寂しさがかたちを変えて現れた、“もう一人の彼”なのです。
そしてこの邪視という存在は、オカルンの心にも揺さぶりを与えます。
「モモにとって、必要なのは自分なのか?」
「自分は、本当に彼女を守れているのか?」
この“三角関係”が生む揺らぎは、
第2期のドラマ部分をぐっと奥深くしてくれています。
強い味方たち:星子・ターボババア・アイラ
モモとオカルンが“前に進める”のは、彼らを支える味方たちがいるから。
バトルで、精神面で、そして時に笑いで。
それぞれ違ったかたちで物語を支えてくれる3人のキャラクターを見ていきましょう。
◆ 星子(CV:水樹奈々)
モモの祖母であり、筋金入りの霊媒師。
強烈な関西弁と豪快なバット裁きで、怪異すらもぶっ飛ばすパワフルな存在です。
でも彼女の真骨頂は、“家族を守る”という信念の強さ。
どんなときでもモモの背中を押し、見守り、受け止めてくれる──
まさに精神的支柱ともいえるキャラクターです。
その存在感は、モモの強さの「根っこ」でもあるんです。
◆ ターボババア(CV:田中真弓)
元は敵として登場した、都市伝説系の怪異。
とにかく見た目も行動もぶっ飛んでいて、
「なんでこんなに怖くて愛おしいんだ…?」と混乱させられる存在。
ですが、オカルンへの“憑依”を経てからは、奇妙な協力関係に。
ときに突っ込み役、ときに狂言回しとして物語をかき乱し、彩ってくれます。
彼女の存在は、『ダンダダン』という作品の“混沌さ”そのものを体現してるようにも感じます。
◆ 白鳥 愛羅(アイラ)(CV:佐倉綾音)
学校ではモモの“ちょっと近寄りがたい美少女”という立ち位置だったアイラ。
でも、実は誰よりも素直で、情に厚くて、感情で動ける女の子。
霊視能力を持つようになってからは、自ら怪異と向き合い、仲間たちのために戦うようになります。
アイラの魅力は、「自分の弱さをちゃんと受け止められること」。
だからこそ、モモやジジの揺れる心にも、やさしく手を差し伸べられるんです。
この3人の“支える力”があってこそ、主人公たちはぶつかって、傷ついて、それでも前に進める。
第2期では、そんな“支え合う関係”の美しさがより際立っていました。
新キャラ&怪異:第2期からの存在感
第2期から本格的に登場する新キャラクターや怪異たちは、
単なる“敵”でも“ゲスト”でもありません。
彼らは、モモやオカルンたちの「内面」を映し出す鏡でもあり、
物語世界を広げる“異物”としての力を持っています。
◆ 鬼頭ナキ
ジジの実家がある村に登場する、強烈キャラの“地元ババア枠”。
初登場時からインパクト抜群で、見る者すべてを黙らせる存在感。
でもその異様さの裏には、村に古くから根づく信仰や呪い、
「共同体における排除と保護」といった社会的テーマが隠れています。
◆ 満次郎(ツチノコ神主)
一見コミカルで、動画配信を夢見る現代的キャラ──
でも実は「大蛇信仰の巫僧」という伝統的な役割を背負っているというギャップの塊。
その軽妙な口調と、呪術的な背景のアンバランスさが、
『ダンダダン』らしい“混沌”を生み出しています。
◆ チキチータ
通称“シャコ星人”ことドーバーデーモンの息子。
実は毎日新たな血液を摂取しなければ生きられないという特殊な体質を持ち、
そのままでは地球で生きていくことが難しい存在でした。
でも、星子たちが“牛の血”を分けてくれたことで、彼は命をつなぎ、
いまは父・ドーバーデーモンと共に地球で静かに暮らしているのです。
怪異でありながら、どこか“守ってあげたくなる存在”。
チキチータは、「異なる存在との共生」というテーマを体現するキャラクターでもあります。
◆ セルポ星人などのエイリアン勢
第1期から登場しているセルポ星人も、第2期では再び物語に関わってきます。
彼らの存在が示すのは、“人間理解を超えた他者”の恐怖と魅力。
だからこそ、モモやオカルンの成長や感情の輪郭が、より鮮明に見えてくるのです。
これらの新キャラ・怪異たちは、ただ物語を“動かす”のではなく、
“揺さぶる”存在として、感情やテーマをより深く、鋭く切り込んでいきます。
5. キャラ相関図の要点まとめ
ここまで紹介してきたキャラクターたちの関係性を、一度整理してみましょう。
『ダンダダン』の魅力は、単純な“敵と味方”では語れないところにあります。
それぞれが“何かを守りたい”という思いを抱え、時にすれ違いながらも交差していく。
以下に、キャラクター同士の主なつながりと感情の流れをまとめます。
- モモ ⇄ オカルン:価値観の衝突から始まる信頼関係。互いの弱さを補い合う“心のバディ”。
- モモ ⇄ ジジ:過去の初恋相手。現在のオカルンとの関係に“揺らぎ”をもたらす。
- ジジ ⇄ 邪視:自分の中の孤独や後悔が生んだ“もう一人の自分”。
- オカルン ⇄ ターボババア:一時的な“憑依関係”から奇妙な友情へ。
- モモ ⇄ 星子:精神的支柱であり、“信じる力”の源。
- モモ ⇄ アイラ:女の子同士の友情と成長を映す関係。時にライバル的、でも支え合う存在。
- 満次郎・チキチータ・ドーバーデーモン:宇宙人側の“もうひとつの日常”を見せる存在。共生と異文化理解の象徴。
- 鬼頭ナキ ⇄ 村の人々・ジジ:外部から来た者、内部にいる者。排除と受容のはざまに揺れる。
このように、登場人物たちの関係性はただの“相関”ではなく、感情と選択でできた生きた線です。
だからこそ、観るたびに心が動く。
好きなキャラの背後にある“誰かとの結びつき”が、いつしか自分の気持ちとも重なってくる。
それが『ダンダダン』という物語の、最大の魅力だと思います。
物語構造としての関係性分析
『ダンダダン』は、「霊 vs 宇宙人」という異色の対立構図をベースにしながら、
その枠組みを越えて、“人と人がどう向き合うか”という普遍的なテーマを描いています。
第2期ではその構造が、より深く、より感情的に展開されます。
◆ 異なる信念が出会う場所
モモとオカルンは、「幽霊は信じる/信じない」「宇宙人は信じる/信じない」という
まったく反対のスタートラインに立っています。
でも、だからこそ出会えた。
違いを認め、受け入れ、手を取り合う──この物語が何度も描いているのは、
まさに“価値観を越えた共闘”</strongなのです。
◆ 感情が怪異になる世界
ジジと邪視の関係は、そのまま「トラウマと自己否定のメタファー」になっています。
自分を責める気持ち、過去を断ち切れない痛み。
それが怪異というかたちで現れる世界観だからこそ、
視聴者はキャラクターたちの“心の揺れ”を、よりリアルに感じ取れるんです。
◆ 支える者たちの物語
星子、アイラ、ターボババア──戦う主役ではない彼女たちが果たす役割も大きい。
誰かを見守り、信じ、支える存在がいるからこそ、
モモやオカルンは「自分の力で戦う意味」を見つけられる。
この“支える者の強さ”が物語に深みを与えているのも、『ダンダダン』の構造的美しさのひとつです。
◆ “異物”との共生というビジョン
満次郎やチキチータ、ドーバーデーモンは、「異文化・異種族との共生」を体現するキャラクターたち。
第2期では、ただ戦って排除するだけではなく、
“共に生きる”という選択肢が描かれ始めます。
そこには、現代社会に通じる“共存”や“多様性”のテーマも重なってくる。
だからこそ、『ダンダダン』はただのオカルトバトルものでは終わらないんです。
まとめ
『ダンダダン』第2期は、バトルが激しくなった──それだけの続編ではありません。
それぞれのキャラクターたちが、
“誰かを信じること” “違いを越えて共にあること”を選び、
傷つきながら、でも確かに前に進んでいく物語です。
モモとオカルンの関係が深まる中で、ジジの孤独が交錯し、
星子やアイラ、ターボババアがその感情を受け止める。
満次郎やチキチータたちは、「異なるものを排除せずに受け入れる世界」の可能性を提示してくれる。
キャラクターたちの“つながり”をたどっていくと、
自然と私たち自身の“感情の輪郭”にも触れてしまう。
──だからこそ、観終わったあとも、ずっと心に残り続ける。
『ダンダダン』は、「感情の奥行き」と「関係性の深さ」が織りなす、まさに“感情で読むアニメ”です。
あなたの心を揺らしたのは、どのキャラでしたか?
きっとその理由も、今日ここに言葉になったはずです。
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