“クセが強い”が癖になる!『ウィッチウォッチ』10話の衝撃
「どこからツッコめばいいのか」──視聴後の第一声は、それに尽きました。
『ウィッチウォッチ』第10話は、シリーズの空気感を一度ぶち壊すようなギャグとキャラの嵐。にもかかわらず、不思議と嫌な感じがしない。
それはなぜか? 答えは、“過剰さ”にこめられた優しさにあります。
強烈すぎるキャラたちの登場で、私たちの“心の防御”がほどけていく。笑って、驚いて、なんだか癒される──そんな感覚に包まれる回でした。
そう。この第10話には、視聴者の感情のゆらぎを自然に導く仕掛けが、たっぷり詰まっていたんです。
生徒会キャラがクセ強すぎて笑う|“ベタ”を突き抜けた演出が話題
「顔がうるさい」から始まる、愛される“過剰さ”
清宮天流──この名前を聞いて、帽子に張り付いた手を思い出せない人はいないはず。
“顔がうるさい”という初見インパクトで、登場わずか数秒で爪痕を残す彼。でも実は、その“やりすぎ感”が作品にとって重要な役割を果たしていたんです。
笑いの基本は「緊張と緩和」。天流たちの過剰な演出は、あえて緊張感をほぐすための緩和だった。
驚いて、ツッコミたくなって、思わず笑ってしまう。この感情の揺れが、視聴者の心に“余白”を生み出してくれるんですね。
「ベタすぎて懐かしい」は、時代を超えた“再発見”
『ウィッチウォッチ』は、もともと“ベタ設定”をユーモアで料理する作品ですが、今回はさらにそのベタの密度が高い。
関西弁キャラに、完璧すぎる副会長、ギャル系、釘宮理恵ボイスの小動物──これ、全部揃えてくる!?という感覚。
でも、だからこそ面白い。なぜならこれは、“懐かしさ”を新鮮に見せる演出だったからです。
私たちがかつて愛した王道キャラたち。そのテンプレが、今の空気の中で“ズレた形”で復活している。これはいわば、ノスタルジーの再発見なんです。
“笑い”の構造は、実はかなり計算されている
このカオスな生徒会回、ただの“ノリと勢い”ではありません。
キャラごとの役割がきちんと設計されていて、誰がボケて、誰がツッコミ、誰が空気を変えるかが明確。
だから、ボケの応酬が連続しても“くどさ”を感じさせず、むしろどんどん気持ちよくなっていく。
この構成のリズム感が、視聴者の“笑いの感度”を自然にチューニングしてくれるんです。
「笑わせようとしてくる作品」ではなく、「笑わずにはいられない構造」──それが、この10話の巧さです。
豪華声優陣の演技に拍手|松岡禎丞・沢城みゆき・福山潤…声だけで笑える
松岡禎丞さん、全力の“真顔ギャグ”で一人勝ち
生徒会長・清宮天流が強烈だったのは、顔芸でもキャラ設定でもなく──松岡禎丞さんの“真剣なギャグ演技”に尽きます。
あの帽子に張りついた手、過剰な台詞回し。普通なら寒くなりかねない“やりすぎ”を、松岡さんは本気のトーンで演じきったからこそ、笑いが生まれたんです。
おふざけを本気でやる。その姿勢が、キャラを“ネタ”に終わらせず、「何かこの人…好きかも?」と視聴者を惹きつけた。
沢城みゆきさんの“塩対応”が作品にキレを与える
副会長・伊武荊を演じるのは、沢城みゆきさん。
彼女の声が入るだけで、空気が一変する──。これは毎作感じることですが、今回もまさにその真骨頂でした。
浮かれた生徒会メンバーの中で、ぴしっと筋を通す一言。“現実味のある声”が入ることで、フィクションに深みが生まれるんですね。
釘宮理恵さん&福山潤さんの“癖キャラ共演”が最高
ボケまくる関西弁の剣持くん(CV:福山潤)、どこか気だるいシロップちゃん(CV:釘宮理恵)。
このふたりの掛け合いが、とにかく“音だけで面白い”。セリフの間や声色の微調整が絶妙で、聞いているだけで自然と笑ってしまいます。
声優陣の力量があるからこそ、キャラの個性が“表情を超えて”伝わってくる。アニメならではの醍醐味ですね。
“アベンジャーズ級”キャストが自然に溶け込んでる理由
これだけ豪華な声優がそろうと、普通なら浮いてしまいそうなもの。でも、『ウィッチウォッチ』ではそれが一切ない。
理由はシンプル。キャラの立ち位置とセリフのテンポが、しっかり計算されているからです。
脚本も演出も、“声の強さ”を前提に組まれているから、各キャラが自由に動いても調和が崩れない。
まさに、声と物語が一緒に呼吸している。そんな心地よさがありました。
“通い猫”エピソードに癒された|音夢の猫姿にキュンが止まらない
猫になった音夢ちゃん、かわいさ天元突破
後半の“癒しタイム”は、宮尾音夢(CV:楠木ともり)が猫になって乙木家に通い詰めるエピソード。
あの無防備な寝転び方、くるくる変わる表情、ドジっ子なミスも「猫なら許せる!」と叫びたくなる破壊力でしたね。
猫耳の少女が家に通ってくる──設定だけで優勝なのに、それをちゃんと“感情の緩急”に繋げる構成力が見事でした。
「お風呂イベント」で見せた、“ラブコメの王道”と照れの美学
守仁に見つかり、お風呂に入れられてしまう猫音夢。
ここで描かれるのは、いわゆる“お約束イベント”ですが、重要なのは“音夢が何も悪びれてない”という点。
視聴者側が勝手に「これはあのシーンだ!」と想像を膨らませて照れてしまう──この“ズレ”こそがラブコメの醍醐味であり、今回のシーンもその美学をきっちり守っていました。
音夢の“通い”に込められた、ほんのり切ない気持ち
ただ可愛いだけじゃないのが、今回の魅力。
音夢は、心配をかけまいとして猫の姿で守仁に会いに行く。これは“素直になれない少女の感情”そのもの。
守仁の前では強くあろうとするけれど、実は頼りたい──その気持ちが猫の姿に変換されているわけです。
つまりこのパートは、“変身もの”の文法で描かれる、恋と不安の物語でもあったんですね。
シリアス展開の予感が高まるラスト|生徒会長との約束とは?
“笑って終わらない”のが『ウィッチウォッチ』の本気
今回のラスト、印象的だったのは──ただのギャグ回で終わらなかったこと。
清宮天流とのやり取りの中に、守仁の「決断」と「変化の兆し」がにじんでいたんです。
「俺たちの生徒会に来い」──ベタな誘い文句。でも、そこに込められた“チーム”の意味や、守仁がこれからどう生きるのかという問いかけが、静かに始まった気がしました。
笑いから“問い”へのジャンプが、物語の核心を作る
この作品のすごいところは、笑いのあとに、そっと心をざわつかせる仕掛けを入れてくること。
視聴者が笑い疲れたタイミングで、「この先どうなる?」という余韻を残すことで、次回への期待が自然と生まれます。
これは“ギャグの引き際”が完璧だからこそできる技術。締めが雑だったら、次に繋がらないんですよね。
“変わっていく守仁”が、この作品の軸になる
物語を支えるのは、やっぱり主人公の“揺れ”です。
第1話から見てきた守仁は、「巻き込まれ型のツッコミ役」だった。でも今回、生徒会長という別の“役割”に誘われたことで、彼の内側に「何かを選ぶ責任」が芽生え始めた。
つまり、“何もしなかった人”が、“何かをする人”になっていく。
この変化の予兆が、ギャグの裏に丁寧に敷かれていた。それが今回のエモさの核心なんです。
視聴者の声まとめ|“神回すぎた!”熱狂的リアクション続出
「クセが強いけど、なぜか癒される」──不思議な中毒性
X(旧Twitter)では、「顔がうるさい」「生徒会全員キャラ濃すぎ」など、爆笑リアクションが飛び交いました。
でも、それだけじゃないんです。「変な人たちなのに、なぜか好きになる」「癒されるからずっと見ていたい」──笑いの奥に、愛着が芽生える。これが10話の魔法。
「演技が豪華すぎて頭が追いつかない」
松岡禎丞、沢城みゆき、福山潤、釘宮理恵、久野美咲、福島潤……まさに“声のドリームチーム”。
「声だけで面白いって何!?」という戸惑いと歓喜が入り混じったコメントが多数。キャストだけで1クール見たいという声も納得の布陣でした。
「次回が気になって仕方ない」
「守仁、生徒会入るの?」「このテンションのままシリアスくるの?怖い…でも楽しみ!」
“ギャグで笑わせて、ラストで惹きつける”という展開に、多くの視聴者がまんまと乗せられた様子。続きが気になって仕方がない──そんな声が溢れていました。
まとめ|“笑って癒されて、惹きこまれる”三重奏の妙
第10話は、単なるギャグ回ではありませんでした。
・顔が濃すぎて笑える生徒会キャラ
・猫耳少女の癒しにほだされる後半
・その裏で静かに動き出す、守仁の“心の選択”
この三層構造が絶妙に重なり、気づけば私たちは笑いながら、キャラを好きになって、次を待ち望んでいた。
『ウィッチウォッチ』の魅力は、「わかりやすい面白さ」に見せかけた、“気持ちを動かす仕掛け”にあります。
あなたが今回、思わず笑ってしまったのなら──きっとそれは、作品があなたの“心の隙間”を優しくなぞったから。
次回、どんな表情の守仁に出会えるのか。
そして、音夢の“通い猫”は、どんな想いを届けてくれるのか。
次週も目が離せません。
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